Normal muscle function is dependent on normal joint movement
正常な筋肉の機能は、正常な関節運動に依存する。
Erik Dalton Blog(Dr.メンネルの定義)

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
①土台を安定させる
足元へのアプローチ
扁平足(へんぺいそく)や外反母趾といった足部の問題は、ひざ関節症や腰痛の発症率と大きく関連していることが明らかになっています。
具体的には、扁平足や外反母趾の人は、腰痛は1.5倍、ひざ関節症は3倍も多いというデータがあります。
足部の骨配列へのアプローチは、足本来の衝撃吸収機能と、ぐらつきの少ない安定した重心バランスを取り戻すことで、歩行や段差の昇降にともなう患部へのダメージ蓄積を防ぐために行ないます。
このプロセスを必要としない方もおられますが、慢性的な腰痛やひざ痛、歩行障害がある方の場合、何らかの足部異常があることが多いのも事実です。
足首から下の骨配列は、まさに家の基礎。ここに問題があると、歩行時に地面から伝わる衝撃が足で分散できなくなります。
建物では1階のゆがみやグラつきが2階・3階へと連鎖的に影響を及ぼしますよね?
それと同じように、人体でも足元の骨配列異常や不安定は、ひざ、股関節、背骨に歩くたびにダメージを与える要因となります。
逆に言うと、足首から下を整えることで、知らず知らずのうちに蓄積していた患部へのダメージを減らすことができるのです。
使う手法
シューズ&インソール療法
足首から下の骨配列は、施術で整えても効果の持続性がありません。テーピングは“その場ですぐに”効果がある応急処置としては優秀ですが、長期的に巻き続けるのは現実的にコストがかかりすぎます。
そのため、イギリス、オーストラリア、アメリカといった足病医療の先進国では、特殊な素材のインソール(靴の中敷き)を使うことが一般的です。
当院では、フォームソティックス・メディカルという、業界No.1のエビデンス数を誇り、世界中で足病専門医が累計1000万足以上処方している最高品質の医療用インソールを取り扱っています。
必要に応じて、足に合った適切な靴やインソールに変えることで、最短での改善=労力や金銭的負担の軽減につながります。
骨組みを整える
関節へのアプローチ
近代徒手療法を「医学的治療」として定義・普及させる上で、パイオニア的な役割を果たした米国整形外科医のDr.メンネルは、患者でもっとも多いのは『関節の問題=関節機能障害:Joint Dysfunction(JD)』であると言いました。
1964年、彼は「正常な神経や筋肉の働きは、関節内の正常な動きに依存している」と主張。60年経った現代、この主張は質の高い臨床研究によって強く裏付けられています。
つまり、治療の初期段階で大切なのは、筋膜リリース、マッサージ、筋トレなどの筋肉に対するアプローチではありません。最優先すべきは、関節へのアプローチなのです。
関節機能障害は、かんたんに言うと、関節が本来の動きを失った状態です。
関節の摩擦係数は、氷の300分の1しかないので、本来は引っかかることなくスムーズに動きますが、関節機能障害が起こると、サビついたドアのように動きが悪くなります。
厄介なのは、背骨で関節機能障害が起こると、『関連痛』というあちこちに謎の不調や痛みが起こるということです。
患部に異常がなくても痛みが生じる場合、背骨の関節機能障害を疑う必要があります。
- 動かさないことで関節周囲の血液循環が悪くなる
- 靭帯や神経に十分な栄養が行かず痛みが生じる
- 防御反応で関節周囲の筋肉や靭帯が緊張して硬くなる
- 関節を動かせる範囲が小さくなり、他の関節が代わりに動くようになる(代償動作)
- 無理に動かすと痛むため、ますます動かさないことで血行不良と栄養不足が悪化する
- 動けない関節の代わりに動いてた関節に負担が集中し、そこにも炎症や機能障害が発生
- 1〜6の悪循環を繰り返すことで、いたるところに機能障害や痛みが生じる
このように、関節機能障害を放おっておくと、無意識的に関節機能障害が起こっているところをかばう動作になることから、痛みや機能障害があちこちに広がっていくリスクが高くなります。
使う手法
FJT
FJT(Functional Joint Therapy:機能的関節療法)は、痛みの原因としてもっとも多いとされる、関節機能障害を治療する技術です。痛みや不調があるのに、画像診断で異常がなかったり、筋肉や筋膜にアプローチしても効果がない場合でも、この技術で改善することが多々あります。
配線を整える
神経&筋肉へのアプローチ
ここで言う神経や筋肉へのアプローチは、一般的に行われているストレッチやマッサージでもなければ、筋膜リリースでもありません。
そういった方法は、効果の持続性がなく、ごく短時間でもとに戻ることが明らかになっています。その理由は、『神経筋再教育』という重要なプロセスが抜け落ちてしまっているからです。
例えば、誰かに仕事を代わりにやってもらったら、楽はできるけど自分が仕事のやり方を覚えられないのと同じ。
関節へのアプローチで新たな関節の可動域を得たら、次は